《電化装置の鍵となるマグネシウム》
細胞が生きていくためには
ATPが必要となるが、
身体を動かすためには
電気伝導が必要となる。
その体内電流の伝導体が
カルシウムであり、血液中の
カルシウム濃度を適正に保つには
マグネシウムが必要となるのだ。
この事実を理解するには、
細胞の外側にある細胞膜の
機能を知る必要がある。
細胞膜には専用のチャンネルが
存在しており、カルシウムには
カルシウム・チャンネルがある。
カルシウムはこのチャンネルしか
通過できないのだが、この
チャンネルはマグネシウムによって
強力にガードされている。
細胞内のカルシウムの
10,000倍の濃度を持つマグネシウムが、
一定のカルシウムが
細胞内に入ることを許し、
必要な電気伝導を作り出させている。
作業が終われば、すぐにカルシウムを
細胞の外へと排出する手助けをする。
なぜだろうか?
もしカルシウムが細胞内に蓄積すると、
興奮性亢進と石灰化(硬化)を
引き起こし、細胞の機能を
中断させてしまうからである。
つまり、マグネシウムは
カルシウム・チャンネルの
ブロッカー(遮断役)なのである。
細胞の成長・細胞分裂、及び
その中間段階の代謝活動も、
利用可能なマグネシウムが
存在していることを前提としており、
もし過剰にカルシウムが存在すれば
代謝活動が危険にさらされる。
カルシウム過剰は、
側頭動脈の筋層細胞を刺激し、
偏頭痛の原因となることがある。
それ以外にも、肺の細かい気道と
取り巻く平滑筋を収縮させ、
呼吸困難や喘息を発症させる。
さらに、脳の 神経細胞が
刺激を受けることがある。
カルシウムでの刺激を受けた細胞は
電気的インパルスを繰り返し発し、
細胞のエネルギー蓄えを奪い、
細胞死を招くのである。
マグネシウムの働きはこれだけではない。
325種の酵素に関係している。
その中でも最も重要な酵素反応は
ATPの活性化である。
マグネシウムはATPと結合して
身体の活力を生むエネルギー源を
つくっているのである。
ATPとマグネシウムが結合すると、
メッセンジャーRNA(DNAが転写されたもの)が活性化し、体内タンパク質産生の引き金が引かれる。
またDNAの産生にも
両者の結合が欠かせない。
ともに生命の基礎である
RNAとDNAにとって、
遺伝子の安定維持のために
ATPとマグネシウムが
不可欠の存在となる。
だから、マグネシウムが欠乏すれば、
DNA合成が不活性化してしまうのだ。
マグネシウムは人の身体にとって
これほど重要な働きをしているため、
ミネラルのなかで
最も多く体内に存在している。
マグネシウム:25g
鉄:5g
亜鉛:2g
マグネシウムの推奨量は
350~500mg/日である。
しかし、実際の食生活では
200mgもとれていないだろう。
つまり、多くの人は
マグネシウム欠乏となる。
マグネシウムを水溶化したものとして
マグネシウムオイルがある。
これはまるでオイルのような
テクスチャであるが
経皮吸収効率が高い。
脂性肌の人にとっては
マグネシウムオイルは
とても有効となる。
過剰な脂の分泌は
常在菌の乱れや栄養素、汗腺機能など
様々な要因が考えられるが
マグネシウムオイルを
局所的に塗布すると、
油分を適度に分解してくれるので
油っぽさが抑制されるのである。
また、マグネシウムオイルを
定期的に塗布すると
若返りホルモンと呼ばれる
「DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)のレベルが自然に高まる。
通常、DHEAは副腎で産生されるが
加齢とともにその生産量は
大きく減少する。
その結果、男性ホルモン
女性ホルモンの生産量の
減少にもなる。
マグネシウムは
これを改善してくれる。
さらに深い睡眠へと誘う。
メラトニンは強力な
抗酸化物質であると同時に
体内時計の機能、
生体リズムを調整しているが
加齢にともない、
その分泌量は低下する。
そのため歳を取ると眠りが浅くなる。
このメラトニンの合成ルートは、トリプトファン→セロトニン→メラトニンであるが、
トリプトファンからセロトニンの
代謝での補酵素は、
鉄とビタミンB6などがあり、
セロトニンからメラトニンでは
マグネシウムが使われる。
つまりマグネシウム欠乏は、
睡眠の質を決定する因子となる。
その質の低下は、
免疫力の低下へと直結する。
だから、老人は
感染症に対して弱いのである。
マグネシウムといえば
便秘薬を思い浮かべるかもしれない。
それらは、酸化マグネシウム
水酸化マグネシウム
炭酸マグネシウムであり
水に不溶であり、生体での
利用性もほとんど持たない。
主として
緩下剤として作用するために、
体内には吸収されない。
マグネシウムの錠剤や
カプセルを服用して
軟便を見るようであれば、
吸収は行われず、
腸内は洗い流され、
それとともに、あらゆるものが
押し流されてしまっている。
マグネシウムの吸収において
最も効果的なものは静注であるが
これは病院でないとできないので
現実的ではない。
その次に効果的なものが
マグネシウムオイル(塩化マグネシウムの経皮吸収)である。
第3には、経口で
グリシン酸マグネシウム
オロチン酸マグネシウムを
摂ることだ。
第4はクエン酸マグネシウムであるが、
他品よりも安価であるために
これが最も多く使われてい る。
また、アミノ酸で
キレート化されたマグネシウムも
経口摂取では有効である。
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