活性酸素は主に4つある。
「スーパーオキサイド」と
それに1個の電子が加えらた
「過酸化水素」がある。
この「過酸化水素」 は
容易に「ヒドロキシラジカル」へと
変貌する。
さらに「一重項酸素」がある。
「ヒドロキシラジカル」は
最も酸化力が強いが、
除去する手段が生体には存在しない。
しかし、 ビタミンやβカロチンは
その防衛手段となるのである。
大気中の酸素は、生体内に入れば
「スーパーオキサイド」になる。
活性酸素が障害的に働くのであれば、
血球の運ぶ酸素は危険物となる。
しかし、活性化されているゆえに
体内では活発な役割を
演じることができる。
白血球による
殺菌作用はその一つである。
またがん細胞への攻撃も同様に
「スーパーオキサイド」を
つくって攻撃する。
「スーパーオキサイド」は、
正常な代謝の中でも
つねに発生している。
ミトコンドリアでのATP産生過程
薬物解毒の過程がそれである。
それに対して生体が用意している
活性酸素除去物質は、
SOD(スーパーオキサイド除去酵素)
カタラーゼ、グルタチオン、
グルタチオンペルオキシターゼなどだ。
ビタミンCはスーパーオキサイドを
除去して過酸化水素をつくりだす。
そのとき過酸化水素は、
生体内の抗酸化物質によって
除去されなければ、
ヒドロキシラジカルへと変貌する。
つまりビタミンCは
スーパーオキサイドを除去する一方、
ヒドロキシラジカルを
つくりかねないのである。
しかし、そこに
ビタミンEがあれば解決する。
なぜなら、ビタミンEは
ヒドロキシラジカルを
除去できるからである。
だから、ビタミンCの
大量摂取には必ずビタミンEも
一緒に摂取することが望ましい。
しかしそれは、生体内にSODや
カタラーゼ、グルタチオンなどの
抗酸化物質が十分に
満たされていなければという前提である。
これらの抗酸化物質は
加齢にともない減少する。
なぜ加齢によって減少するのか?
それは、栄養素の摂取量が
減少するからである。
SODもカタラーゼも酵素であり、
タンパク質できている。
グルタチオンはペプチドだ。
それらの材料供給がなければ
つくれなくなるのは当然である。
さらに、カタラーゼはシミを除去して
分解する作用があるが、
これが合成される過程では
必ずビタミンCと鉄が必要となる。
生体内で準備できる
強力な抗酸化物質は
グルタチオンペルオキシターゼだが、
これを構成するためには、
システインの硫黄がセレン(セレニウム)に置換されたもののみが有効となる。
だからセレンも
サプリメントとして有効となる。
老人には特有のシミができるが、
これは過酸化脂質の重合物に
タンパク質が結合したものである。
これは「リポフチン」とも呼ばれ
「プロゲリア症(早老症)」の
原因でもある。
この患者の特徴は、脳や心筋に
リポフチンが大量に沈着することである。
その結果、10歳で
80 歳の老人のような容貌となり
老衰の状態を見せる。
この病気は、過酸化脂質を処理する
酵素の不活性、または欠落による。
その酵素が
「グルタチオンペルオキシターゼ」だ。
これ以外にもビタミンEが役割を持つ
過酸化脂質分解酵素も重要となる。
ビタミンEは酵素の産生を指令する
遺伝子にも影響を及ぼしている。
つまり、コーディングに介入して
酵素の生合成を
コントロールしているのである。
「コーディング」とは、
DNAに記録されている
暗号化された遺伝情報を解読して
酵素タンパクが合成されるまでの
過程である。
ここには20段ほどの代謝があるが、
そこに介入する酵素のうちの
一つの補酵素として
ビタミンEがあるのだ。
コーディングは全身の全ての細胞で
四六時中行われていることなので、
ビタミンEの欠乏は全身的に
影響を及ぼすことになる。
老人性のシミもその現象の一つであるが、
それ以外にも自覚されることなく
各臓器に異常をきたしている恐れがある。
特に皮膚は
過酸化脂質に対して敏感である。
過酸化脂質が皮膚にとどまると
強い炎症が発生して色素沈着が起こる。
これは表皮細胞の変性、
毛細血管の透過性の亢進、
ミトコンドリアの膨化などが
起きることとなる。
それらは過酸化脂質が
生体膜に障害を与えた結果である。
このように
抗酸化物質はみな、老化を遅らせ
ガンと心臓病のリスクを減らし
日光、あるいは年齢によって
皮膚のシワを減少させ、
有害物質を解毒し、
皮膚の老人性色素の産出を減らしてくれる。
ビタミンEを摂取すると加齢臭がなくなる。
加齢臭の原因は「パルミトレイン酸」という
脂肪酸 である。
この脂肪酸が酸化すると
ノネナールという物資に変化する。
男性は女性に比べて
皮脂の分泌量が多いため、
脂肪酸も多くなる。
だから加齢臭も強くなる。
そこで、脂肪酸の酸化を
抑制すれば加齢臭はなくなる。
ビタミンEは脂肪酸の酸化を
抑制してくれるのである。
だから、ビタミンEを摂取すると
加齢臭も無くなるのである。
ビタミンEとビタミンCは
物質の酸化を抑制するが、
このとき還元型から酸化型へと変わる。
酸化型ビタミンCを
元の還元型へ戻すのは
グルタチオンであるが、
酸化型ビタミンEを
元の還元型に戻すのはビタミンCである。
グルタチオンは体内合成できるが、
ビタミンCは自前ではつくれない。
だからビタミンCは
つねに外部からの摂取が必要なのである。
さらに血中グルタチオン濃度は
加齢とともに減少する。
鉄とビタミンEは一緒に摂取すると
鉄がビタミンEを破壊すると
言われているが、これは
その鉄が無機鉄の場合である。
しかし、アミノ酸などで
キレートされた鉄であれば問題はない。
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