胃酸には殺菌、酵素の活性化
三価の植物鉄が吸収されるように
二価のヘム鉄に変えるなどの
役割がある。
胃酸で二価に変わった鉄イオンは
小腸で吸収され、一部は
腸粘膜に蓄積される。
ここで胃酸の分泌量が少ないと、
鉄は吸収されずに黒い便となって
排出されてしまう。
鉄は赤血球やATP生成だけでなく、
幅広く使われている補因子であるため
胃酸の分泌量の低下によって
鉄不足の影響が幅広く出てしまう。
では、胃酸の分泌量は
なぜ低下するのか?
1.胃酸のムコ多糖類を構成するタンパク質不足(悪循環)
2.交換神経の過緊張による胃の萎縮
3.加齢やピロリ菌で胃が萎縮
4.制酸剤の長期使用
上記のなかで特に多いのが
タンパク質不足の悪循環である。
胃液には「胃酸」のほか
ムコ多糖類の「粘液」も
含まれている。
胃酸は、胃粘膜から分泌される
ペプシノゲンをペプシンという
タンパク分解酵素に変える。
しかし、胃酸は
肉を溶かすほどの強力な「酸」なので
そのまま分泌されれば
胃そのものが破壊されてしまう。
そのため、胃の中では「粘液」も
胃酸とセットで分泌される。
この「粘液」が
胃のなかを守るバリアーとして働き、
ペプシンと一緒になって
タンパク質を分解してくれるのである。
タンパク質がペプチドに消化されると
小腸の腸内細菌と酵素が、
ペプチドを1個のアミノ酸まで
細かく分解することができるようになって
ようやく腸粘膜からの吸収が可能となる。
しかし、タンパク質が不足すると
胃酸に含まれる粘液がつくれなくなる。
なぜなら、この粘液の
5~10%はタンパク質でできているからだ。
すると胃酸の分泌量も制限される。
それはさらに、
タンパク質の消化吸収を阻害する。
食べたタンパク質が
未消化のまま大腸に運ばれると、
悪玉菌の餌となり、腐敗発酵により
アンモニアや活性酸素が生成される。
腸の粘膜のターンオーバーは
通常2~3日である。
その粘膜も
タンパク質で構成されているため
フレッシュなタンパク質が
入ってこなければ腸の機能も衰えてくる。
しかし、その前にタンパク質を
ペプチドからアミノ酸にまで
分解される必要があるので、
やはり胃酸が重要となる。
胃酸の成分の60%は
ビタミンCであるため、ビタミンC不足も
胃酸分泌に大きく影響する。
ある医師は「プロテインを過剰摂取すると腎臓が悪化する。身体はタンパク質を分解し、その分解産物であるアミノ酸を再合成しているからタンパク質はいらない」という理由から、プロテインを否定している。
こうした否定的な考えは
従来の医療プロトコルに
起因しているかもしれない。
腎臓の悪い人は、
病院でタンパク食を指導される。
タンパク質の摂取制限をすることで
尿毒性の原因となる窒素代謝産物の
産生を抑制するという理由からだ。
しかし、これは
とても合理的ではない。
なぜなら、腎臓という臓器そのものが
タンパク質でできており、絶えず壊され
つくり直されているからである。
タンパク質の供給が無くなれば
改善するはずもない。
腎臓の組織の半分が更新するには
短いもので11日、遅くて180日と
されている。
腎臓の組織は、それほど早く
回転しているのである。
つくり直す時に、
タンパク質という材料が不足すれば、
以前より機能が低下した
腎臓になってしまう。
では、リサイクルされたアミノ酸が
材料として有効かといえば、
そうはならない。
なぜなら、中古のアミノ酸には
何らかの修飾がされており、
それがバグとなるからだ。
逆に言えば、
タンパク質不足が長く続くことで、
使い古されたアミノ酸によって
腎機能が低下しているとも
考えられるのである。
タンパク質制限を続けている
腎臓病の人は、倦怠感、むくみ
脱毛などが多く見られる。
どれも低タンパク食に原因がある。
タンパク質よりも糖質過剰の方が
腎臓に負担をかけるのである。
腎臓は毛細血管の集まりなので、
血管壁のコラーゲンを強くするために、
タンパク質とビタミンCが必須となる。
さらに、血流をよくするためにも
ビタミンEとナイアシンも必要である。
プロテインのなかで
「ホエイ・プロテイン」というものがある。
このホエイは、
活性酸素を除去する抗酸化酵素の一つ、
グルタチオンのレベルを
ぐっと引き上げる効果がある。
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