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執筆者の写真株式会社And You Tear

自分を食べるオートファジー《徹底解説》



《オートファジー》  


オートファジーとは、

細胞内の「品質を維持」

するための働きである。


細胞内では、ATPのみならず

タンパク質も猛烈な勢いで

分解と合成がされている。


しかし、その過程では

古くなったタンパク質などの

ゴミが発生する。


ゴミが細胞内に蓄積すると

細胞の働きは悪くなる。


そこで、ゴミを掃除して

リサイクルするシステムが存在する。  


細胞内を掃除するシステムは、

大きく分けて2つある


一つは、タンパク質専用の

分解装置である「プロテアソーム」

を使うシステムである。


不要となったタンパク質に

「ユビキチン」というタグをつけて

そのタグがついた、

タンパク質のみを狙って掃除する。  

それに対して、細胞内のものを

食べてきれいにするのが

「オートファジー」だ。


オートファジー によって

分解された後はリサイクルされる。    


このオートファジーは

飢餓に陥った時に体内の脂肪を

分解してエネルギーに変える

システムとは異なる。


ミトコンドリアは

くなったり傷ついたりすると、

毒物である活性酸素を

たくさん出すようになる。


この劣化したミトコンドリアを

オートファジーによって

食べられなくなると、

細胞は死滅する。  


つまり、オートファジーは

ミトコンドリアの機能を

実際に調節しているのである。  


これはとても重要なポイントとなる。


なぜなら、ミトコンドリアは

ATPを産生しており、

あらゆる細胞(赤血球を除く)に

存在するからだ。


ミトコンドリアは

それぞれの細胞に

平均して100 個ある。


この数を維持していくことは

ATP生産量に直結する問題となるので、

健康と美容にとって重要な要素となる。

ミトコンドリアの数を増やすためには、

体内での自然な合成を促すだけでなく、

オートファジーによって

損傷したミトコンドリアを

除去する必要があるのだ。  


栄養が豊富に入手できる環境では

オートファジーの強度を

調節するダイヤルは下げられ、

飢餓時には上げられる。


だからといって、細胞が

空腹状態の時だけに

働くわけではない。  


オートファジーは日常的に発生し、

細胞の損傷を防ぐために欠陥のある

タンパク質や細胞小器官を除去している。


また、特定のホルモンや

成長因子による生物学的な刺激や

感染によっても

誘発されることがわかってきた。  


オートファジーの魅力は

細胞死をコントロールする

能力にある。


つまり、オートファジーは

健康な細胞を保護し、

有害な細胞を除去する能力を持つので、

恒常性を維持する

大きな役割を担っているのである。  


オートファジーが

解毒装置となるのであれば、

それを誘発させるべきだろう。


それは身体に健全なストレスを

与えることで促される。

その主な方法は2つある。


「ファスティング」と「運動」 である。


ファスティングすると

血糖値を上昇させる

グルカゴンというホルモンが

活性化する。


血糖値のバランスを維持するため

インスリンとは

逆の働きをするのだ。


このグルカゴンの値が上昇すると

オートファジーが始まる。  


また、運動によるストレス

オートファジーを起動する。


肝臓や膵臓、筋肉、脂肪組織など

代謝に関連する多くの臓器で

オートファジーが誘発される。


しかし、やり過ぎると

マイナスとなる。

この「収穫逓減の法則」は

マラソン選手を見れば

よくわかる。


マラソン選手の中には

過酷なトレーニングを

長期間続けたことで

心臓や腎臓を傷めている人が

少なくない。  


同じことは

オートファジーにも言える。


オートファジーのスイッチの

オンオフのバランスが必要

なるのである。



《オートファジーのスイッチ》 


成長ホルモンは身体組織の成長を

促すホルモンであり

筋肉と肝臓において

タンパク質合成を増加させる。


また、エネルギーを得るために

脂肪細胞を分解して

血中の遊離脂肪酸を増やすので

大きな減量効果がある。


それ以外にも線維芽細胞や

角化細胞など表皮細胞へも

間接的に活性化させる。


成長ホルモンの作用の多くは

「IGF-1(インスリン様成長因子1)」を

介したものである。


だから、成長ホルモンの

分泌だけでなく、

IGF-1の産生も必要となる。

成長ホルモンが分泌されると

肝臓を刺激してIGF-1を

産生させるが、それは

インスリンが分泌された時に

限定される。  


つまり、成長ホルモン値と

インスリン値の両方が高い時、

IGF-1のレベルは上がり、

体内組織の成長を促す反応も

増加する。


一方、インスリン値が低いと

IGF-1のレベルは上がらなくなる。


しかし、オートファジーが刺激され

使い古された有害なタンパク質や

細胞の残骸を一掃できる。  


ポイントは、インスリンを抑えつつ

IGF-1を一定レベルで維持する

適切なバランスが、どこかに

存在するということである。


IGF-1の

長所と短所は以下の通りである。


【長所】

・筋肉量と筋力を維持に役立ち、
筋肉の消耗や脆弱性を低下させる 

・炎症反応を減らし、
酸化ストレスを抑える 

・DNA損傷などの危険に直面した
細胞の生存能力を高める 

・脳内で新しい
ニューロンの成長を誘発させて、
有害なアミロイド班の蓄積を防ぐ 

・血管に抗炎症、
抗酸化作用をもたらし、
既存のプラークを安定化させ、
それ以上蓄積させない 

・骨密度を高める 

・検疫系をサポートする 

【短所】

・悪性腫瘍の発生リスクを高める 

・寿命を短くする 

 

このように長所も多くあるが、

大きな短所が2つある。


この謎は医学会では

「IGF-1パラドッ クス」

と呼ばれている。

パラドックスを説明する

理論の一つとして

考えられているのが

ミトコ ンドリアの役割である。


ミトコンドリアに損傷や

機能障害が起こると、

病気や老化が進行する。  


IGF-1とオートファジーの関係性を

もう少し掘り下げて理解するには

「mTOR(エムトア)」 という

物質との関係性がある。  


mTORとは、「mechanistic Target Of Rapamycin(ラパマイシン機構的標的タンパク質)」 と呼ばれ


タンパク質の複合体のことである。


mTORはほぼすべての

細胞が持つスイッチであり

mTORが活性化すると、

つまりスイッチオンになると

細胞は「成長モード」に入る。


このモードではタンパク質の生産、

エネルギーの蓄積、

細胞の形成などが促進される。


つまり成長モードとは、

同化プロセスのことであり

ターンオーバーだ。

だから、筋肉を大きくするには

このmTORの活性化が必須となる。  


一方、mTORによる成長モードには

マイナス効果もある。


それはオートファジーが

作動しないことだ。


オートファジーは

mTORの働きが抑制されることで

起動する。


それによって、細胞内に生じた

有害物質や増殖しようとした

がん細胞を除去する。    


IGF~1のレベルがつねに高いと

mTORがオンとなって

オートファジーはオフになる。


それがミトコンドリアの機能障害や

細胞の生存率低下につながる

ということである。


また、ミトコンドリアの突然変異や

機能障害は加齢とともに増加し、

IGF-1レベルが高い状態で

機能不全のミトコンドリアを

除去する能力が落ちると、

体調不良や病気を発症しやすくなる。

動物性タンパク質と

植物性タンパク質の違いは

「IGF-1」にある。


食事によって大量のタンパク質が

体内に取り込まれると、

肝臓はそのタンパク質を利用して

生産的な活動を行うために

IGF-1 を分泌して

細胞にこう指示を出す。  


「成長期が来たから、

エンジンを始動させて増殖を始めよ。

そのための材料はふんだんにある」  


しかし、植物性タンパク質には

IGF-1を増加させるアミノ酸が

圧倒的に少ない。


その分、オートファジーは

適度に活性化しているので、

機能不全となったミトコンドリアや

成長ホルモンによるがん細胞の増殖も

促されることはない。


その一方で、

細胞の異化が亢進されて

ターンオーバーは遅延する。  


つまり、

細胞の同化と異化はmTORが

コントロールしているとも言える。

mTORが細胞に栄養状態などの

状態を伝達する指令塔

考えるとわかりやすい。  


理想的には、成長ホルモンの

分泌量を維持させながら、

適度にオートファジーを

活性化させることである。


そのためには適度な運動と

高タンパク低糖質の食事と

ファスティングである。  


断食中に

軽度のストレスを受けた細胞は、

このストレスに耐えうる能力

さらに病気に抵抗する能力を高める。


その効果は、血圧を低下

インスリン感受性の改善、

腎機能や脳機能の向上、

免疫機能の再建、

がんなどの病気に対する

抵抗力がもたらせる。


ただし、この力を

最大限に引き出すには、

代謝を高いレベルで維持させながら

オートファジーを

活性化させる必要がある。  

最新の研究によれば、

最大の効果が得られるのが

断食開始から16時間前後となる。


これだけの時間

何も入れない肝臓の

グリコーゲンも枯渇する。


するとエネルギー代謝の

ギアチェンジが起こり、

脂肪を分解して、脂肪酸を

エネルギー源とする。


脂肪酸からできるATPの量は

糖に比べて3.3倍となる。


すると血糖値を上げることなく、

インスリンが分泌されることなく、

ATPは豊富に作り出せる。  


インスリン値が低ければ

IGF-1の分泌量は減り、

mTORはオフとなって

オートファジーはオンとなる。


しかし、成長モードとはならない。  


適度な成長モードを起動させて、

オートファジーを

活性化させることが理想となるが、

そのためにはどうすべきか?  


それには2つある。


前述でも指摘したが

オートファジーの活性化は

運動でも発生する。


運動のなかでも最も効果的な運動が

無酸素運動である筋力トレーニングだ。


筋トレはIGF-1の分泌量を増やす。


するとmTORがオンとなって

筋肉合成の他、細胞内での

タンパク質合成が行われる。


つまり、それは

成長モードとなることである。

筋トレは、持続的に

行われるものではないので、

休んでいる間は、

mTORはオフとなって

オートファジーが活性化する。  


もう一つの方策は

ファスティングである。


ファスティングをしながら

高タンパク食を摂取すれば、

成長モードのオンとオフの

バランスを得られることになる。


それは、タンパク質の摂取でも

インスリンは上昇するからだ。


インスリンといえば

糖質だけがターゲットとなるが

タンパク質でも

インスリン値は上昇する。

もちろん糖質ほど

極端に上がることはないが上昇する。


インスリンは脂肪細胞だけでなく

すべての細胞の扉を開ける

伴となるので、タンパク質を

細胞内へと入れる伴としても

大切な役割を果たしているのだ。


プロテインだけで

筋合成が促進されるのである。  


「筋肉は増やしたくない」

という女性は多いが、

美容にとって筋肉は

欠かせないものである。  


なぜなら、水分量の多くは

筋肉量に比例し、基礎代謝も

筋肉に依存しているからだ。


つまり、筋肉量が多くなると

保湿力が高まり、代謝も高まり

血流が増加することで

基礎体温も上昇する。


それは、確実に

免疫力の向上にもつながる。



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