《部位特異性について》
人間の体内に存在する
ヒスタミンという物資は、
細胞のストレス反応を引き起こす
重要な化学シグナルである。
腕や脚に分布する血管中に
ヒスタミンが存在すると、
それがストレス・シグナルとなって
血管壁を構成する内皮細胞の間に
大きな伱間ができる。
それをきっかけとして、
局所的な炎症反応が引き起こされる。
ところが、ヒスタミンが
脳内の血管に加えられると
同じヒスタミンなのに、
内皮細胞の間に伱間を
つくらせることはなく、
その代わりにニューロンへの
栄養分の供給量を増やし、
ニューロンの成長や特殊機能を
促進させる。
ストレスがかかる状況下では、
ヒスタミンのシグナルによって
栄養の供給量が増えて脳が活性化し、
差し迫った緊急事態に
対処できるようにするわけだ。
つまり、ヒスタミンという
同じ物質であっても、どこに
放出するかによってそのシグナルが
全く逆の方向に作用することが
起こっているのである。
この精妙さを
最もよく示しているのが
「部位特異性」である。
蚊に刺されば
腫れて痒みが続くが、
これはヒスタミンが
放出されたためである。
ヒスタミンが
シグナル分子となって
炎症反応を起こしているのである。
しかし、
全身に痒みを生じさせる必要はないので
ヒスタミンは蚊に刺された場所にだけ
放出されるのである。
しかし製薬会社のつくる医薬品には
そういった部位特異性はない。
アレルギーによる痒みを抑えようとして
抗ヒスタミン剤を服用すれば、
全身に配られて、行った先々で
ヒスタミン・レセプター を見つけては
結合する。
その結果、炎症反応は抑制されて
アレルギー症状は軽減してくれるが
脳に入った抗ヒスタミン剤は
ニューロンへの血流量を変え、
そのため神経の機能に
影響を及ぼして しまう。
薬局で購入した
抗ヒスタミン剤を飲むと
眠くなるのは、こういうわけである。
時には、治療に用いた薬品が
害となって、悲劇的な結果に
なることもある。
その一例は
「ホルモン補充療法」である。
エストロゲンは、
女性の生殖機能に
影響を与えるホルモンである。
ところが、エストロゲンの
レセプターの分布調査がされた結果
血管や心臓、脳の日常的な
機能に関しても重要な役割を
果たしていることが明らかになった。
ということは、当然ながら
エストロゲン補充に用いられる
合成物質も同様の作用を持つことになる。
女性の更年期障害に対して、
合成エストロゲンの処方は
当たり前となっているが、
医薬品として用いられる
合成エストロゲンは、
目的とする組織以外にも作用する。
つまり、心臓や血管
神経系エストロゲン・レセプターにも
影響を与え、これらの働きを撹乱する。
そのため、
合成ホルモン補充療法は
重大な副作用を伴い
心血管疾患や脳卒中などの
神経系の機能不全を
引き起こすことが明らかになった。
製薬企業がバックアップする
学術研究から導き出される理論
というものには、
「例外」はあり得ないことになっている。
なぜなら例外があるならば、
それはその理論が完璧でなくなるからだ。
現実に起こっていることが、
確立された科学的な信念に対して
異議を申し立てる例外は多くある。
HIVウィルスに感染しても
何年も発病しない人は多くいる。
なぜそうなのか、
それはいまだに科学的に
明らかれにされていない。
最も不可解なのは、
末期ガンの患者が
自然治癒する例があることだ。
そういった治療は
従来の科学理論の枠外にあるため、
それが起こったことは完璧に無視される。
ガンの自然治癒は、
現在の知識では説明できない例外
あるいは単なる診断ミスとして
片付けられてしまう。
栄養学は医療とは程遠い世界にある。
医師はそれを見下しさえしている。
そんな医師たちは、
決して完治することのない
薬漬けの医療に何の疑問を持たず、
ひたすら論文と製薬会社の
プレゼン資料を鵜呑みにしているだけだ。
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最後まで読んで
理解をしたら「いいね」で
印を付けておきましょう!
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